試験科目から見る難易度
中小企業診断士は、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格です。
経営に関わる幅広い知識が問われるため、中小企業診断士試験は1次試験で7科目、2次試験で4科目で出題範囲が広いのが特徴です。
国家資格 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
公認会計士・税理士 | お金・税に関すること | 専門的で深い |
社会保険労務士 | 人事労務・社会保険に関すること | 専門的で深い |
司法書士 | 登記に関すること | 専門的で深い |
中小企業診断士 | 経営全般に関すること | 広く浅い |
他の士業試験は特定の分野に特化しているスペシャリストで、中小企業診断士の試験はゼネラリストなのです。
したがって、狭い分野を深く掘り下げる学習が得意な人にとっては中小企業診断士試験は難しく感じる、一方、広い分野を浅く学習するのが得意な方にとっては勉強しやすい試験です。
広く浅いといっても、ある程度の深さの知識は求められます
合格率からみる難易度
直近3年の一次試験、二次試験の合格率を確認してみましょう。
年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 19,444 | 13,605 | 2,404 | 17.7% |
2017年 | 20,118 | 14,343 | 3,106 | 21.7% |
2018年 | 20,116 | 13,773 | 3,236 | 23.5% |
2019年 | 21,163 | 17,386 | 4,444 | 30.2% |
2020年 | 20,169 | 13,622 | 5,005 | 42.5% |
一次試験は毎年約2万人が受験し、2,500~3,500名が合格しています。一次試験の合格率は20%を推移していましたが、近年は若干合格率が上がっています。
特に、2020年は東京オリンピックのための特別スケジュールや、新型コロナの影響で受験者数が変動し、合格率40%超の異常事態が発生しました。今後は、おそらく25%前後を推移すると思います。
年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
2016年 | 4,539 | 4,394 | 842 | 19.2% |
2017年 | 4,453 | 4,279 | 830 | 19.4% |
2018年 | 4,978 | 4,812 | 906 | 18.8% |
2019年 | 6,161 | 5,966 | 1,088 | 18.3% |
2020年 | 7,082 | 6,400 | 1,174 | 18.4% |
二次試験は毎年約5000万人が受験し、1000名弱が合格しています。近年は受験者数が増加しているため、合格者数も増加していますが、例年合格率はほぼ一定で約20%です。
つまり、100人受験した場合25人が一次試験を合格し、その25人が二次試験を受験して5人が合格しているイメージです。
一次試験に合格すると、その年と翌年の2回二次試験を受験することができるので、合格率4%という超難関資格ではありませんが、中小企業診断士試験は、それなりの難関度の高い資格です。
学習時間目安からみる難易度
次に、中小企業診断士試験に合格するために必要な学習時間を確認してみましょう。
中小企業診断士の必要勉強時間量は平均約1,200時間と言われていますが、平均するとだいたいこのくらいに落ち着くと思います。引用元:中小企業診断士の難易度
学習時間については、1次試験で1000時間、すなわち1年位は私生活を犠牲にしてでも学習に集中というのが一般的です。
しかし、財務会計、経営情報システム、経済学等、職歴や学歴に大きく影響する科目もあるので、一概には言えません。
市販の参考書等による完全な独学は、学習領域、学習範囲の確保という視点から、かなり難易度は高いと思います。
一次試験と二次試験を一度の受験で合格する、いわゆるストレート合格者の中には、6ヶ月~8ヶ月の勉強期間で合格する人がいる、一方で、10年かけてようやく二次試験に合格したという人もいます。
何回本試験を受験するのかで学習時間は大きく変わります。一般的には2~4年間、真面目に勉強すれば合格できるといわれています。
ちなみに、筆者は3年目で合格しましたよ。
中小企業診断士の勉強をはじめたキッカケから合格に至るまでの詳細は「私の合格体験記」の記事をご覧ください。
大学偏差値に換算したときの難易度
まだ中小企業診断士の勉強をしたことがない人にとって、合格率や目安勉強時間では難易度はピンとこないですよね?
直感的にわかるのは、大学受験の時の偏差値だと思いますが、無理やり換算すると偏差値60~65くらいだそうです。
中小企業診断士試験の難易度を大学の偏差値で例えると、おおむね偏差値60~65というイメージでよいと思います。
簡単ではないけれど、秀才でないと合格できない難易度でもない。努力して勉強を続けたら働きながらでも合格できる難易度です。
以上が、中小企業診断士試験の難易度の紹介でした。
独学で勉強するのか通信講座を使って勉強するかで学習効率はかわりますし、どれくらい勉強時間を確保できるのかで資格取得までの期間はかわってきます。
私筆者の体験や考えは「独学のメリット・デメリット」や「私が合格するまでにかかった勉強時間」にまとめているので、ぜひご覧ください。